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イスラエルとイランの停戦合意が再開、IAEAは核施設訪問の用意

更新日時
  • イスラエル首相、トランプ氏と協議後に追加攻撃の見送りに同意
  • 再び核交渉が焦点に、中国はイラン原油の購入継続可能とトランプ氏

イランとイスラエルは現時点で、いずれも停戦合意を順守しているもようだ。トランプ米大統領はこれに先立ち、自身が23日に発表した停戦合意をイスラエルとイランがいずれも破ったと非難。合意を順守するよう両国に強く求めていた。

関連記事:イスラエル、イランとの停戦に合意-トランプ氏が発効を発表 (1)

  イスラエルのネタニヤフ首相はトランプ氏と協議し、イランへの追加攻撃を見送ることに同意した。イスラエル首相府が声明を発表した。イスラエルは停戦発効後に、テヘラン近郊のレーダー施設を破壊したが、これはイランから発射された3発のミサイルに対する報復だったとしている。

  停戦合意の発効直後に、双方による攻撃に関する報道が相次いだことを受け、トランプ氏は怒りをあらわにした。特にイスラエルに対しては「爆弾を落とすな。それは重大な違反だ。パイロットを今すぐ帰還させろ!」と自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、強い口調で警告していた。 

  トランプ氏はまた、「両国はあまりに長く、激しく戦ってきたせいで、もう何をしているのか自分たちでも分かっていない」と記者団に語り、不満を示していた。

  これらトランプ氏の投稿や発言は、イスラエルとイランの停戦がいかに脆弱(ぜいじゃく)であるかを浮き彫りにする。

  それでも、トランプ氏は停戦は維持されるとの見方を表明。「両国ともに停戦に違反したと思う」と記者団に述べる一方、停戦は破綻しつつあるかとの問いには「そうは思わない」と答えた。

  6月13日に両国の軍事衝突が始まって以降、イラン政府の発表によると、同国の死者数は606人に上った。一方、イスラエルの救急当局は、24日朝の4人を含め、イランのミサイル攻撃でこれまで28人が死亡したと明らかにしている。

焦点は再び核交渉に

  こうした中、焦点は再びイランとの核交渉に移りつつある。

  トランプ氏は対イラン交渉の目的について「イランが濃縮を行うことはないし、核兵器も持たせない」と改めて述べた。

  国際原子力機関(IAEA)は24日、停戦を歓迎するとともに、できるだけ早期にイランでの任務を再開する用意があると表明。具体的にはイラン国内の核施設への訪問再開に加え、行方が分からなくなっている高濃縮ウラン400キロ超を含む核物質の在庫確認が含まれると説明した。

関連記事:高濃縮ウランは今どこに-停戦後も残るイスラエルとイランの火種

  IAEAはまた、米軍によるイランの核施設空爆による被害状況の検証について最新情報を公表。それによると、イラン中部フォルドゥの地下施設へのアクセス道路が攻撃を受けたほか、ナタンズでは、ウラン濃縮および貯蔵用の地下ホールの上部に被弾による穴が確認されたと述べた。

  「調査結果によると、さまざまな濃縮度のウランなど核物質を保管していた施設内で、局所的な放射性物質および化学物質の放出が確認されたが、施設外での放射線量の増加は報告されていない」という。

  米軍が先週末に実施したイラン核施設への空爆では、中核部分の破壊には至らなかったと、CNNが米国防総省の情報機関による初期評価について知る関係者の話として報じた。イランの核開発を数カ月程度後退させるにとどまった可能性が高いという。

関連記事:米国、イラン核施設空爆で破壊には至らずと評価-CNN

  一方、トランプ氏は中国がイランからの原油購入を継続できると発言した。米国がイラン経済の生命線にこれまで適用してきた「最大限の圧力」を突然緩和した格好だ。トランプ氏の発言を受けて原油価格は下げ幅を拡大した。

関連記事:中国はイラン産原油を購入可能、トランプ氏が方針転換-原油下げ拡大

原題:Trump’s Iran-Israel Truce Gains Ground, UN Seeks Nuclear Access(抜粋)

(CNNの報道を追加して更新します)
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