Your browser is: WebKit 537.36. This browser is out of date so some features on this site might break. Try a different browser or update this browser. Learn more.
コンテンツにスキップする

米国の卵価格に下落の兆候-記録的な値上がりで消費者の需要減退

更新日時
  • 2月の米CPIによれば、卵価格は前月比10.4%上昇-供給不足続く
  • 鶏卵価格は3月7日時点で1ダース6.85ドル-2週間前から16%低下

注目された2月の米消費者物価指数(CPI)では、卵の価格が再び大きく上昇したことが示された。鳥インフルエンザ流行に伴う供給不足の状況が続いている。ただ一方で、ここ最近は需要の鈍化により価格が下がりつつある兆候が見られる。

  米労働省が発表した2月のCPIによれば、卵価格は季節調整後ベースで前月比10.4%上昇。全般的な食品インフレ鈍化の傾向と逆行したことが示された。だが米農務省によれば、需要減退により供給が追いつく機会が訪れる中、ここ数週間は価格が急激に下がってきている。

Eggs Have Started to Come Down in the US | Wholesale prices ease in March after record surge
 
 

  卵供給会社エッグス・アンリミテッドのバイスプレジデント、ブライアン・モスコジウリ氏は、「実際のところ価格は急速に下落しつつある」とし、「消費者は高騰する価格に抵抗を示し始めている。需要は急激に落ち込んでいるようだ」と述べた。

  農務省によれば、全米の鶏卵価格は3月7日時点で1ダース当たり6.85ドル(約1016円)と、過去最高となった2週間前の8.15ドルから16%低下した。

  鳥インフルエンザの流行継続で供給が逼迫(ひっぱく)し、記録的な価格高騰につながっている。数千万羽の鶏が殺処分される中、全米で卵不足が深刻化し、食品スーパーでは購入制限が実施される事態となった。

関連記事:米国で卵不足が深刻化、スーパーの棚が空に-1カ月で15%値上がり

  そうした状況はトランプ政権にとっても大きな問題だ。政権は食品インフレを鈍化させる方針を示し、最近には卵の輸入拡大など鳥インフルエンザ対策での計画を発表した。

Price Relief at US Grocery Stores

Costs of groceries excluding eggs fall most since 2020

Source: Bureau of Labor Statistics, Bloomberg

  サプライチェーンのコンサルタント会社アドバンスト・エコノミック・ソリューションズのバイスプレジデント、エイミー・スミス氏は「卵は誰もが食品スーパーでカートに入れるものだ。その価格が2倍になれば、次は何に影響が及ぶのかと思い始めるだろう」とし、「消費者には心理的な負担となる」と付け加えた。

  農務省は報告で、価格が記録的水準に達したことで消費者需要が打撃を受けたほか、ここ数週間は鳥インフルエンザの目立った発生が見られないことから、卵不足の解消に向けて生産が前進する機会が生まれたと記した。

  また小売企業も広告を抑制しており、販促活動は「ほとんど見られない」と農務省は指摘。食品小売業者は、卵の購入を奨励することで供給面での進展をリスクにさらしたくはないと考えているという。

  ただイースター(復活祭、4月20日)が近づく中で、卵の需要は高まる見通しだ。

  エッグス・アンリミテッドのモスコジウリ氏は、卵価格が高止まりしていればイースターに向けた購買意欲は減退していたかもしれないとしつつ、最近の値下がりにより「そこそこの需要回復が見られる可能性がある」と述べた。

原題:Egg Prices Set to Ease as Shoppers Give Up on Finding Bargains(抜粋)

(内容を追加し、見出しを書き換えて更新します)
    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE