ゴールドマンCEO、「状況は落ち着く」-現状の不確実性には苦言
Todd Gillespie-
「ここまでの政策行動、投資と成長に健全だと思えず」-ソロモン氏
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解雇者数は増加へ、企業幹部はコスト管理を今年の主要課題に
ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は、足元では将来への不確実性により投資銀行業界全体で活動が鈍化しているが、合併・買収(M&A)と新規株式公開(IPO)は満足できる水準で落ち着くだろうとの見方を示した。
ソロモン氏は29日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「不確実性が現時点からさらに高まれば、現状程度の資本活動が見られなくなる。だが、状況は落ち着くだろう」と発言。「取引も、資本調達も、投資用の流動性も必要だ。この一部は、単に期待のリセットに過ぎない」と述べた。
ソロモン氏は、現状のような政策の不確実性はゴールドマンが投資を拡大させている公開・非公開市場にとって健全ではないと指摘。企業幹部がコスト管理を今年の主要課題に挙げる中で、解雇者数は増加する公算が大きいと予想した。
「ここまでの政策行動は、投資と成長に健全だとは思えない程度にまで不確実性を高めた」とソロモン氏は警告し、「自分が話した企業幹部や顧客は投資を控え、出費を抑えている」と語った。
インタビューはノルウェー政府系ファンド主催の年次投資会合にソロモン氏が出席するのに合わせ、オスロで行われた。
ソロモン氏は銀行規則についても言及。米財務省が発信する規制緩和は前向きに感じられると話す一方、欧州の規制緩和にも期待感を示し、ドイツの大型財政パッケージはユーロ圏の成長期待を改善したと評価した。
「(欧州の)成長を阻害してきた規制の壁の一部を壊し、前進させるという決意や興奮が間違いなく感じられる。そうなれば、極めて建設的だろう。より景気を支援する財政措置がとられれば、成長にも有効だ」と論じた。
原題:Goldman’s Solomon Says Markets Will ‘Settle Down’ After Disorder(抜粋)