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G7首脳、対ロシア制裁強化でトランプ氏を説得できず-関係者

  • 16日のG7首脳夕食会、トランプ氏は従来の主張繰り返す-関係者
  • 米主導の和平努力への支持、制裁継続は議長声明に盛り込まれる方向
A working session during the G7 Summit in Kananaskis, Alberta, on June 16.

A working session during the G7 Summit in Kananaskis, Alberta, on June 16.

Photographer: Brendan Smialowski/AFP/Getty Images

主要7カ国(G7)首脳は16日の夕食会で行った議論で、トランプ米大統領をロシア制裁強化の方向に動かすことはほとんどできなかった。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  トランプ氏はロシアのプーチン大統領にウクライナでの停戦に合意するよう呼び掛けているが、制裁強化はちらつかせるだけで、実行には抵抗している。16日には制裁は米国に多額の資金負担を強いると述べ、同盟国を一段といら立たせた。夕食会でも、これまでと同じ主張の多くを繰り返したと、匿名を要請した関係者が語った。

  それでも、カナダのカーニー首相が発表する議長声明には、G7は米国主導の和平努力を支持していること、ウクライナは停戦の用意を示しているのに対してロシアにその用意がないこと、ウクライナ支援国は制裁を通じてロシアに圧力をかけ続ける必要があること-が盛り込まれる見通しとなった。カーニー首相の報道官は声明内容について今のところコメントの要請に応じていない。

  G7首脳会議の前日、欧州連合(EU)は第18次の対ロシア制裁パッケージを提案。英国は17日、ロシアのエネルギーおよび金融セクターを標的とした新たな制裁を発表した。EU、英国ともロシア産原油の取引上限価格の引き下げを推進しているが、米国は反対している。

  一方、ロシアは16日深夜から17日朝にかけて戦争開始以降最大級の空襲を仕掛け、戦争終結に真剣であるという気配をほとんど示していない。

関連記事:ロシア、ミサイルや無人機でキーウを攻撃-少なくとも14人死亡

  この空襲によりキーウで少なくとも14人が死亡し、市内の複数の地域がドローン(無人機)やミサイル、またはその破片で被害を受けた。

  ウクライナのゼレンスキー大統領がX(旧ツイッター)に投稿したところによると、ミサイルが直撃した9階建ての住宅用建物が全壊し、がれきの下に閉じ込められた生存者がいないか捜索作業が続いている。建物の損傷は市内各地で起きているため、どれだけの数の人が生き埋めになっているかは不明だという。

  ゼレンスキー氏はG7会合に出席するためカナダに到着した後、「このような攻撃は純粋なテロだ」とXに投稿。「世界全体、米国、欧州は、文明社会がテロリストに対して取るべき対応をいよいよ取らなければならない」と訴えた。

  ゼレンスキー氏は17日にカナダでトランプ氏と会談する予定だったが、トランプ氏が予定を切り上げて米国に戻ってしまったため、会談は実現しなかった。

  欧州諸国はトランプ氏を信用できるのか、確信をますます失いつつある。今のところトランプ氏と連携を図る動きを続け、同氏との対立を避けているが、並行して有志国との安全保障関係を強化し、ウクライナの立場を守る方法を見いだそうとしている。

原題:G-7 Leaders Fail to Convince Trump to Toughen Russia Stance(抜粋)

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