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エラリアン氏、今年の米利下げは1回のみと予想-関税の影響を懸念

  • 市場は年内少なくとも2回の利下げ完全に織り込む-3回目も高確率
  • 関税によるスタグフレーションの確率は50%-エラリアン氏

英ケンブリッジ大学クイーンズカレッジ学長のモハメド・エラリアン氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)による年内の利下げは1回にとどまるとみている。

  金融市場は2025年における少なくとも2回の利下げを完全に織り込んでおり、3回目についても高い確率で見込んでいる。まず7月に今年最初となる25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の引き下げが実施され、今年全体の利下げ幅は計約70bpになるとの予想だ。一方、FOMC参加者の最新の金利予測分布図(ドット・プロット)では、年内の利下げは2回のみとなっている。

  エラリアン氏は2日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、FOMCは「本質的にハト派寄り」だと指摘。FOMCが軟調な経済データを深刻に受け止めず、この先発動される関税について詳細や各国の対応も不明なまま影響は一過性だと見なす姿勢には懸念を抱くと付け加えた。

エラリアン氏インタビュー
Source: Bloomberg

  新たな関税により、サッチャー英首相とレーガン米大統領の時代に見られたような「混乱期を経て経済の改革やスリム化した政府、債務状況の改善、大きな革新を起こす有能な民間部門」、さらに「より公正な貿易システム」がもたらされると、市場は楽観し過ぎているとエラリアン氏は指摘。

  そうした理想的なシナリオが実現するためには、トランプ大統領は関税や規制、公的部門の改革について一定の明確さを示す必要があると語った。

  エラリアン氏はさらに、市場は不確実性自体は織り込んでいるものの、トランプ氏の関税政策によりスタグフレーションが引き起こされ、「政策当局が身動きが取れなくなる」確率が50%あることについては織り込んでいないと指摘。「政策当局が対応に動くには大きな景気減速が必要になる」と述べた。

原題:El-Erian Sees Fed Delivering One Interest-Rate Cut in 2025(抜粋)

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