任天堂のスイッチ2、今年は1470万台の販売と識者は予想-6月に発売
古川有希-
サードパーティーソフト充実を識者は評価、米国価格高いとの指摘も
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マリオカートなど18本を本体と同時に発売、チャット機能など追加
任天堂が6月5日に発売する家庭用ゲーム機「スイッチ2」の販売台数は1470万台と、初代スイッチを上回る予想を英調査会社のオムディアが明らかにした。3日の同社株は日本株の全面安の影響もあり一時前日比5.9%安の9808円を付けた。
オムディアの予測はスイッチ2への期待を示すものだ。スイッチ2の価格や機能、ソフトのラインアップの発表などを受け、アナリストからはサードパーティーソフトが充実している点などを評価する声も上がる。ただ一部で、米国での販売価格が高いとの声もあがった。
米国モーニングスターの伊藤和典ディレクターはスイッチ2のハードについて、「スイッチの時に出てきた不満や欠点を克服しつつ、キープコンセプトの良さが出ている」だけでなく、新機能のチャットボタンは「今の遊び方をよく研究していると同時に、1人1台持たせることに必ず貢献するだろう」と評価する。
さらにスイッチの発売時には弱かったサードパーティーのラインアップの充実ぶりが想像を超えてきたほか、「国内価格は5万円を超えたくない意思があったが、転売の餌食になることを避けるため」に国内専用バージョンを用意したことで価格のミスマッチを解決したのもポジティブサプライズだったとした。
サンフォード・C・バーンスタインのアナリスト、ロビン・チュー氏もエルデンリングを開発したフロム・ソフトウェアのスイッチ2向けソフトが予定されていることに驚いたとコメント。任天堂のファン層拡大につながると評価した。
一方、英ペラム・スミザーズ・アソシエイツのアナリスト、ペラム・スミザーズ氏は、ハードウエアは少し期待外れで、449.99ドルとした米国価格に対しても399ドルのシステムに見えると指摘。特にカメラを別途購入する必要がある場合は価格が高めに設定されているようだと述べた。
成長軌道戻るか
同日配信した紹介動画では、ボイスチャットやビデオチャットといったコミュニケーション機能を追加したほか、ゲーム画面の共有もできるようにした。国内専用日本語版の希望小売価格は4万9980円(税込み)で発売当初のスイッチより高くなる。
ソフトも充実させた。スイッチ2発売の同日に「マリオカート」や「ストリートファイター」など18本を投入するほか、25年中には世界的に人気の「エルデンリング」や人気キャラクターの「カービィ」や「ドンキーコング」関連ソフトの発売を予定する。26年にはフロム・ソフトウェアの完全新作も控える。
本体は画面サイズをスイッチに比べて大きくしたほか、コントローラーの接続をマグネット式にし、背面スタンドなどを備えた。4K解像度にも対応する。メモリ容量が8倍の256ギガバイトになり、より多くのソフトを保存できるようにした。単なるバージョンアップではなく、本体設計を一から行ったと強調した。
任天堂は前期(2025年3月期)の営業利益を前の期比47%減の2800億円と計画していた。スイッチ2の投入で今期以降、再び成長軌道に乗ることができるか注目が集まる。
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