パウエルFRB議長、銀行準備預金への利払い廃止は費用削減にならず
Alex Harris-
「費用削減になるというのは錯覚。事実ではない」-議会証言で発言
-
準備預金が限られる状態に戻るのは「長く不安定な道のりになる」
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、銀行の準備預金に対する付利(IORB)を廃止するという提案について、費用削減にはつながらないと指摘。準備預金が限られた旧来の状態に戻るのは困難で、ボラティリティーが高まるリスクがあるとの考えを示した。
パウエル氏は25日、上院銀行委員会の公聴会で「これが費用削減になるというのは錯覚だ。事実ではない」と述べた。
米議会は金融システムを支える目的で約20年前にIORBを承認し、世界金融危機の際に導入した。現在では、FRBが短期金利をコントロールする上で不可欠な手段となっている。特に、金融システムに必要以上の銀行準備預金を確保することに注力している現行政策においては重要だ。
「準備預金が限られる状態に戻りたいのであれば、それは長く不安定で変動の大きい道のりになる」とパウエル氏は発言。「その道を選ぶことは勧めない。十分な準備預金を伴う高い流動性があることで、銀行は融資を続けることができる」と強調した。
米共和党のテッド・クルーズ上院議員(テキサス)は今月、金融当局による銀行への利払いを廃止するよう、共和党上院議員らに提案した。これにより今後10年間で1兆1000億ドル(約160兆円)の削減が可能と主張しており、党内の保守派議員から賛同する声も上がっている。
現在のIORBは4.4%。銀行の準備預金は3兆2000億-3兆4000億ドルの範囲にある。
関連記事 |
---|
原題:Powell Says End of Fed’s Interest Paid to Banks Won’t Save Money(抜粋)
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
LEARN MORE