テスラ株上昇、マスク氏のDOGE離れを投資家期待-販売台数は低調
Alisa Parenti-
マスク氏は近く顧問を退く、トランプ氏が側近に伝達-ポリティコ
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株価は一時6.4%安、ポリティコの報道をきっかけに上昇に転じる
2日の米株式市場でテスラ株は上昇した。この日朝に発表した1-3月(第1四半期)販売台数は前年同期比13%減で約3年ぶりの低水準となったが、投資家の間では、同社を率いるイーロン・マスク氏がトランプ政権での職務から身を引くことへの期待感の方が勝った。
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ニュースサイトのポリティコは2日、トランプ大統領が側近らに対し、マスク氏が遠からず顧問の役割から退くと語ったと報じた。同報道によると、トランプ氏とマスク氏は最近、マスク氏が近く事業経営に復帰すべきだと決めた。マスク氏は支援的な役割を担うことになるだろうとポリティコは伝えている。
この報道を受けて、テスラ株は一時6%近く上昇。朝方には6.4%安まで売られる場面もあった。
その後、ホワイトハウスのレビット報道官は同報道を「でたらめ」だと批判。政府効率化省(DOGE)での任務が終われば特別政府職員から退くことについては、トランプ氏もマスク氏もすでに公言しているとした。この投稿には株価はそれほど反応しなかった。マスク氏自身も同報道については「フェイクニュース」と一蹴している。
マスク氏がテスラにどれほど注力しているのかについては最近、投資家の間で大きな懸念材料となっていた。一部の株主は、マスク氏に対する消費者の反発に対処するための明確な戦略が欠けていると批判している。
ラウンドヒル・ファイナンシャルのデーブ・マッツァ最高経営責任者(CEO)は「テスラはマスク氏ありきだ。それ故にマスク氏が会社に再び力を注ぐというニュースは、ネガティブな要素をすべてかき消す」と述べた。
「マスク氏がDOGEで政治的に動けば動くほど、ブランドイメージは悪化する」と、ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は指摘。「マスク氏はこの政治的な騒動を終わらせ、テスラCEOとしての役割とDOGEとの関係をバランス良く両立させる必要がある」と語った。
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原題:Musk Will Depart From DOGE When His Work Is Complete: Leavitt(抜粋)