米中古住宅販売、引き続き軟調-5月としては2009年以来の低水準
Michael Sasso-
中古住宅販売件数は前月比0.8%増の403万戸-予想395万戸
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販売価格は前年比1.3%上昇、5月としては過去最高を記録

Homes in Hercules, California.
Photographer: David Paul Morris/Bloomberg5月の米中古住宅販売件数は小幅増にとどまり、引き続き低調な水準となった。価格の高止まりなどが住宅市場を依然として抑制している状況を示唆する。
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5月としては2009年以来の低水準。住宅販売全体の約9割を占める中古住宅市場は、金利負担の軽減や価格の下落といった要因がなければ、当面は低迷が続くとみられる。季節調整前ベースでは前年同月比で4%減少した。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「販売が比較的低調な主な要因は、住宅ローン金利の高止まりにある」と発表文書で述べた。

足元の住宅ローン金利は7%付近で推移。全米抵当貸付銀行協会(MBA)は、少なくとも来年いっぱいは6%を上回る水準が続くと予想している。
5月の販売在庫は前年同月比6.2%増の154万戸と、約5年ぶりの高水準となった。供給は増えているものの、販売の本格回復には至っておらず、春シーズンとしては過去5年で最も低調となったことが示されている。
ユン氏は電話会見で「もはや供給不足のせいにはできない」と述べ、「供給は増えてきている。問題は住宅取得の難しさだ」と続けた。
販売価格
供給の増加は価格の押し下げにはつながっていない。NARのデータによると、5月の中古住宅販売価格(中央値)は前年比1.3%上昇の42万2800ドル(約6200万円)で、5月としては過去最高を記録した。価格水準は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)初期の5年前と比べて約5割高い。
市場に出てから1カ月未満で買い手が決まった物件の割合は60%で、前月とほぼ同水準。販売価格が提示価格を上回ったのは全体の約28%で、前年同月の30%からやや低下した。
地域別では、最大市場の南部は1.7%増の年率換算184万戸。北東部と中西部でも増加した。一方、西部は5.4%減の70万戸となり、2023年末以来の低水準となった。
統計の詳細は表をご覧下さい。
原題:US Home Resales Stay Sluggish on Affordability Constraints(抜粋)