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プーチン大統領と習国家主席が会談-米国主導の世界秩序に対抗

更新日時
  • 中ロは公正かつ民主的で多極的な世界秩序の構築に関心-プーチン氏
  • 核大国は「建設的な」関係維持を、核戦争のリスク増した-共同声明

ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席は8日、モスクワで会談し、米国主導の世界秩序に対抗すべく、両国の同盟関係を強調した。

  8日の会談後にプーチン氏は習氏と並んで、「独立し、自主的な外交政策をとる中ロ両国は、より公正かつ民主的で多極的な世界秩序の構築に関心がある」と表明した。

  習氏は中ロが「外国の干渉を排除し」、協力を続ける意向を示した。

  ロシア大統領府に掲載された「世界の戦略的安定」に関する共同声明で、中ロは「戦略的分野で蓄積された問題や困難が爆発寸前のところまで来ており、核戦争のリスクは増した」と警告。核大国は国際的な安全保障を確保するため「建設的な」関係を維持するべきだと呼び掛けた。声明の中に、ロシアがウクライナで続ける戦争に関する言及はなかった。

  習氏は7日から4日間の日程でモスクワを訪問している。ロシアは9日、第2次世界大戦の戦勝80周年を記念する式典を行い、ブラジルのルラ大統領ら20カ国以上の首脳が参加する予定だ。

  プーチン氏によると、9日に赤の広場で行われる軍事パレードでは、参加する外国部隊の中で中国軍が最大規模となる。

Vladimir Putin, right, and Xi Jinping ahead of  talks at the Kremlin on May 8.
ロシア大統領府で会談に臨むプーチン大統領(右)と中国の習近平国家主席(5月8日)
Photographer: Evgenia Novozhenina/AFP/Pool/Getty Images

  今年1月の米国のトランプ大統領の就任後、中ロ首脳が直接会談するのは初めて。

  トランプ氏の関税、防衛政策は、欧州各国や日本など同盟国との関係を揺るがした上、米国は国際機関からも距離をとっている。

  習氏は会談に先立ち、中国は自国の利益だけでなく、ロシアや他の開発途上国の利益も「断固として守る」と明言していた。

  プーチン氏は会談の冒頭で、中ロは「全面的なパートナーシップと戦略的な利益」を共有すると発言。「われわれは両国国民の利益に沿って関係を発展させる。どこかの国への敵対が目的ではない」と主張した。

  同氏はまた、9月に中国の天津で開かれる上海協力機構(SCO)首脳会議に参加する意思を示した。直接参加であれば、両首脳が年内に再び対面で会談する機会になる。

  共同声明で両国は、軍事協力を強化すると表明。国営タス通信がノバク副首相の話として報じたところによると、両首脳はロシアが提案する新たなガスパイプラインプロジェクト「シベリアの力2」について協議したが、モンゴル通貨を避けるためのルート変更は話し合われなかった。

  ロシアは同パイプライン建設で中国の同意を得ようと働き掛けてきた。だが、中国は燃料需要に緊急性がなく、燃料供給を1国に頼るのではなく多様な供給源を確保しておきたいとの理由から、最終合意に消極的な姿勢をとり続けている。

  ウクライナ侵攻以降、前例のない西側の制裁を受けてロシアは通商関係で中国に急接近した。中国税関のデータによると、中ロの2024年の貿易額は2450億ドル(約35兆5600億円)と過去最高を更新し、21年から68%増加した。

関連記事:習氏がロシア訪問へ-国際舞台で中ロの緊密さ演出、米国優位崩す狙い

原題:Putin and Xi Tout Partnership Aimed at US-Led Order in Talks (1)(抜粋)

(共同声明やプーチン・習氏のコメントを加えます)
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