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IMF、欧州経済停滞のリスク警告-貿易摩擦や需要低迷が要因に

  • ユーロ圏、低失業率とインフレ抑制も今年わずか0.8%成長の見通し
  • 域内単一市場の統合進化促す-障壁解消で10年で成長3%押し上げも

国際通貨基金(IMF)は19日に発表した報告書で、成長鈍化、投資の低迷、地政学的脅威の増大に対処するための緊急措置を取らなければ、欧州経済は停滞に陥るリスクがあると警告した。

  報告によると、欧州では貿易摩擦と需要の低迷が景気の勢いを削いでおり、リスクは明らかに下方に偏っている。失業率が過去最低水準、インフレ率が目標に近づいているにもかかわらず、IMFはユーロ圏の成長率が今年、0.8%にとどまると予想している。

  生産性の回復に向け、IMFは欧州連合(EU)の単一市場の深化の「断固とした推進」を求めた。国境による分断がイノベーションや企業成長を阻害しているとして、長年先送りしてきたこの取り組みが必要になると指摘した。

  IMFによると、EU域内に存在する障壁によって企業が負担するコストは、財に対し44%、サービスに対し110%の関税に相当する。規制の統一、資本市場改革、労働力の流動性促進などを通じてこうした障壁を解消すれば、10年間でユーロ圏の域内総生産(GDP)を3%押し上げる可能性があるとしている。

  IMFは、防衛や高齢化、気候変動対策といった分野で支出が急増する中、財政的な余裕のある国々は投資を拡大すべきだが、債務残高の多い加盟国には、厳しい財政再建が求められると指摘した。また、共通の目標を達成するためには、EU予算を50%拡大すべきだと提言した。

  同時に、IMFは米国へ依存度の高い企業は、事業環境が悪化するリスクがあるとし、それが銀行のバランスシートに重くのしかかる可能性もあると注意を促した。ただ、現時点では、欧州の銀行システムについて「十分な資本と流動性を備えている」と評価している。

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原題:IMF Sounds Stagnation Alarm on Euro-Zone Economic Growth(抜粋)

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