EU、米国に貿易で新提案を提示-相互に有益な合意成立目指す
Alberto Nardelli-
非重要農産物や工業製品で関税を段階的にゼロにすること盛り込む
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エネルギーやAIなどにおける相互投資や戦略的調達の方針も示す
欧州連合(EU)は、米国に貿易協定案の修正版を提示した。欧米間の合意実現に関して懐疑的な見方が続く中、トランプ米政権との交渉に弾みをつけたい考えだ。
今週米国に送付された新たな提案文書には、国際的な労働権や環境基準、経済安全保障といった米国の関心事項を考慮した内容が含まれていると、事情に詳しい複数の関係者は明らかにした。非重要農産物や工業製品について、両サイドで関税を段階的にゼロにすることも盛り込まれたという。
エネルギーや人工知能(AI)、デジタル接続分野における相互投資や戦略的調達についての方針も示されていると、関係者は匿名を条件に話した。
EUの執行機関、欧州委員会の報道官はコメントを控えた。

関係者によれば、EUは米国との協力を目指しており、バランスの取れた相互に有益な合意を追求している。両者は依然として互いの出方をうかがっている段階であり、正式な交渉を開始するには、欧州委員会が加盟国から交渉権限を得る必要があるだろうと、関係者の1人は述べた。
EUの当局者や加盟国はトランプ政権が同様の目標を持っているのか懐疑的な見方を崩しておらず、双方の繁栄は深く結びついていると米側当局者に繰り返し強調していると、関係者は付け加えた。
一方で、EUは交渉が満足のいく結果に至らなかった場合に備え、対抗措置の準備も進めている。
EUが今回示した最新の提案は、従来のEU案に対してトランプ政権が欧州委に提出した文書への対応としてまとめられた。
EU当局者の1人は米国側の同文書について、非現実的な要求を並べた願望リストだったと指摘。規制や税制に関するEUの自主性を脅かす一方的な要求については、EUとしては一切交渉の余地がないとの立場を明確にしていると、この当局者は語った。
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原題:EU Sends New Trade Proposal to US in Step to Secure Deal (1)(抜粋)