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ドイツに景気後退リスク、強い米国債市場を支持-独連銀総裁

更新日時
  • 向こう数年でドイツ経済は改善、次期政権の公的支出大幅増が後押し
  • 米国債の安全資産としての地位が疑われれば、世界にとって良くない

ドイツは米関税の影響を受け、今年リセッション(景気後退)に陥る恐れもあると、ナーゲル連銀総裁が指摘した。

  ナーゲル氏は23日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、欧州は「停滞局面にある」とし、「自分の国、ドイツは恐らくリセッションだ」と述べた。

  ナーゲル氏を含む欧州中央銀行(ECB)政策委員会は、トランプ米政権の通商政策によるユーロ圏経済への圧迫に対処すべく、利下げを続けている。だが、23日発表された4月のユーロ圏総合購買担当者指数(PMI)速報値はわずかな活動拡大を示す50.1にとどまり、景気への信頼感は大きく落ち込んだ。ドイツのPMIは縮小の領域へと予想外に低下した。

関連記事:ユーロ圏PMI、4月は関税への懸念から予想以上に下落 (1)

  関税については何らかの妥協を見いだす必要があるとナーゲル氏は述べ、向こう数年にはより楽観的な見方を示した。ドイツは次期政権の公的支出大幅増が景気再生を後押しするだろうと語った。

  「ドイツの見方からすれば、防衛費についてもっと行動が必要だった。ドイツのインフラ問題を打開するためには、はるかに大きな行動が必要なことも明らかだった。次期政権の財政パッケージは、ドイツが自らの課題をこなしているという世界への重要なメッセージになる。ドイツは時間がたつにつれて良くなる。経済は向こう数年で改善するだろう。自分のような中央銀行家にとって、これは朗報だ」と論じた。

動画:ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで語るナーゲル独連銀総裁
Source: Bloomberg

  また、支出拡大が消費者物価を押し上げるとの懸念をナーゲル氏は否定した。

  「自分が見る限り、インフレを引き起こすことはないだろう。ドイツは停滞局面を抜け出しつつあるところだ。一種のリセッションとも言える。向こう数年でインフレを引き起こすことはない。支出拡大は景気、つまり経済成長を助けるだろう。これは朗報だ」と続けた。

強い米国債市場を支持

  米国債が激しい売りに一時見舞われ、その資金がドイツ債に流入したこともあったが、強い米国債市場が全員にとって望ましいとの見解もナーゲル氏は示した。

  「米国債の安全資産としての地位に多大な疑念があるのは良い話ではない」と指摘。「われわれは健全な米国債市場を必要としている。世界の金融市場にとって、とても重要なことだ」と語った。

  米国売りの間、ドイツに一部資金が流入したことも認め、「ドイツは欧州の安定の礎だ。ドイツ債はその完璧な例だろう。これが失われることはない。われわれは健全な米国債市場を必要としている」と続けた。

  中央銀行の独立性は「最も重要」で、疑われるべきではないと主張。それが侵されれば、「市場に多大な混乱」が生じ得るとし、「それは避けなければならない。世界経済にとって大きな危険になる。これがどれほど危険か、十分に理解されていることを切に望む」と述べた。

原題:Germany Facing Risk of Recession on Tariffs, Nagel Warns (2)Doubt Over US Treasuries’ Haven Status Bad for World, Nagel Says(抜粋)

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