米貿易赤字、3月は過去最大-トランプ関税を前に輸入急増
Mark Niquette-
輸入は4.4%増、過去最大の伸びを記録-輸出は0.2%増にとどまる
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医薬品製剤の輸入額は71%増加、過去最大の504億ドル
3月の米貿易赤字は過去最大となった。トランプ政権による大規模な関税措置を控え、医薬品を含む財の輸入が急増したことが影響した。
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消費財の輸入が過去最大の伸びを記録した。過去最大規模となった医薬品製剤の輸入が主因。資本財と自動車の輸入も増加した。

今回の貿易収支はトランプ大統領が4月2日に広範な関税措置を発表する前に、米企業が物品確保を加速させた可能性が高いことを示している。医薬品の輸入は関税の対象外となったが、大統領は今後数週間以内に医薬品関税に関する決定を下すと述べている。
1-3月(第1四半期)は2022年以来のマイナス成長となったが、貿易赤字の急拡大がその主な要因だった。実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率0.3%減だった。純輸出の寄与度は過去最大の5ポイント近いマイナスとなった。
関連記事:米GDP、2022年以来のマイナス成長-関税発動前に輸入急増 (2)
3月の輸入は4.4%増と過去最大の伸びを記録した。一方、輸出は0.2%増にとどまった。
しかしブルームバーグ・エコノミクスは中国から米国へのコンテナ輸送量が4月16日以降に減少していることを踏まえ、関税前に急増した駆け込み輸入が弱まるとみている。貿易赤字が縮小すれば、経済成長の短期的な回復を支える可能性がある。
米供給管理協会(ISM)が発表した指数も、製造業とサービス業の輸入減少を示しており、関税導入前の駆け込み輸入が終わりに近づいていることを示唆している。
3月の貿易収支では、財の対アイルランド貿易赤字が季節調整済みで293億ドルに急増した。TDカウエンの分析によると、イーライ・リリーやファイザーなど米製薬会社は、アイルランドに米国向け製品を輸出する工場を約20カ所運営している。3月の医薬品製剤の輸入額は71%増加し、過去最大の504億ドルに達した。
財の対カナダ貿易赤字が縮小した一方、メキシコに対する赤字は2月に記録した過去最高水準付近を維持した。財の対中赤字は縮小した。
インフレ調整後の財の貿易赤字は1509億ドルと過去最大となった。
詳細は表をご覧ください。
原題:US Trade Deficit Widens to a Record on Pre-Tariffs Import Surge(抜粋)