ベッセント米財務長官、日本との通商交渉で「通貨目標」求めず
横山恵利香、Daniel Flatley
更新日時
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日本に対してはG7のこれまでの合意を順守するよう改めて要求
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ベッセント氏の発言を受けて円は下げ拡大、一時143円台半ば
ベッセント米財務長官は23日、トランプ政権が日本との通商交渉において為替レートの具体的な目標を追求するつもりはないと述べた。日本に対しては主要7カ国(G7)の長年の合意を順守するよう改めて求めた。
ベッセント氏は、日本との通商交渉で為替水準の直接的な是正を促す目標を求めるのかとの質問に対し、「通貨目標は一切ない」と言明。「G7合意を尊重することを日本には期待している」と語った。ワシントンで開かれた国際金融協会(IIF)のイベントで基調講演を行った後、記者団の質問に答えた。
日米は米ワシントンで開催の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の機会に、加藤勝信財務相とベッセント財務長官との会談を行う予定となっている。トランプ大統領が米国の製造業を活性化させるためにドル安を望んでいるとの見方がある中で、同協議で為替にどう言及されるか市場では注目が高まっている。
イエレン前財務長官も日本の為替政策について問われた際には、「市場で決定される為替レート」に関するG7の合意を引用していた。
ベッセント氏の発言を受けて円は対ドルで下げ幅を拡大し、ニューヨーク時間午後の取引で一時、約1.4%安の143円49銭を付けた。

出所:ブルームバーグ
「関税と非関税貿易障壁、通貨操作、労働力や設備投資に対する政府補助金など、われわれは複数の要素に目を向けている」とベッセント氏は説明。「従ってこれはすべて一体の交渉だ」と述べた。
原題:Bessent Says ‘No Currency Targets’ Sought in Japan Talks (1)(抜粋)
(ベッセント氏のコメントを最終段落に追加します)
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