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中国はイラン産原油を購入可能とトランプ氏投稿-米政府当局者は困惑

更新日時
  • 長年にわたる米国の対イラン政策の中核を揺るがしかねない発言
  • ホワイトハウス高官は制裁は維持されるとの見解示す

トランプ米大統領は24日、イランとイスラエルの停戦を後押しするために、中国によるイラン産原油の購入継続を容認する考えを示した。長年にわたる米国の対イラン制裁を損ないかねない発言だ。

  中国はイランにとって最大の原油輸出先。トランプ氏は「中国は今やイラン産原油の購入を継続できる」と自身のソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャルに投稿した。

  イランの主な歳入源である原油輸出を断つ方針は、米国の歴代政権が推し進めてきた対イラン政策の中核と位置づけられてきたが、今回の投稿は、これを揺るがしかねないものだ。原油トレーダーのみならず、米政府内の当局者にとってもサプライズとなった。

  トランプ氏はこの数時間前、イランとイスラエルが停戦に合意したと宣言していた。ただ、この停戦は双方が当初違反するなど、危ういスタートを切った。米国は22日、イランの核施設のいくつかに大規模な空爆を実施していた。

関連記事:イスラエルとイランの停戦合意が再開、トランプ氏の順守要求受け

  トランプ氏の発言を受けて原油価格は下げ幅を広げ、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油先物は一時6.6%下落し、1バレル=64ドルを付けた。この日の原油相場はイスラエルとイランの停戦で石油供給への不安が後退したとの見方から、既に下げていた。  

Oil Slumps as Trump Forges Mideast Ceasefire Deal | Investors reprice crude with supply risks fading
 
 

  事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところによると、イラン産原油への制裁を担当する米財務省および国務省の当局者らはトランプ氏の投稿に驚きを隠さず、現時点ではその意図を図りかねている。ただ、財務省は当面、関連している制裁の厳格な執行を継続するという。

  財務省は現時点でコメント要請に応じていない。国務省はホワイトハウスに問い合わせるよう求めた。

  その後、ホワイトハウス高官は制裁が維持されるとの見解を示した。トランプ氏は引き続き、中国などに対し、イラン産原油の購入は米制裁に違反するため、米国産の原油を輸入するよう求めているとした。

  この高官によると、トランプ氏の投稿には、過去数日間の自らの行動によってホルムズ海峡が影響を受けずに済んだことを強調する意図があったという。ホルムズ海峡が封鎖されれば、中国に壊滅的な打撃が及んだはずだと同高官は指摘した。

  シーバートの最高投資責任者(CIO)、マーク・マレック氏は、トランプ氏が米国との協議に応じている中国とイランに「褒美を与えている」ようだと指摘。「現時点では単なるレトリックに過ぎないと見る向きが多いが、驚かされたのは間違いない」と述べた。

原題:Trump Baffles With Sudden U-Turn on China Buying Iranian Oil (1)(抜粋)

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