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IAEA、イランの濃縮ウラン備蓄の所在確認できず-核弾頭10発分

  • 攻撃受け現地での監視業務に支障-イスファハンの地下核施設
  • 平時はIAEAが監視の下保管-イランは有事の際の備蓄移動を警告

国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は18日、イランの濃縮ウラン備蓄について、現在所在を確認できていないと明らかにした。イスラエルによる軍事攻撃が続き、査察官が現地での業務を行えないためだという。

  イランは高濃縮ウランを409キログラム保有している。理論上、核弾頭10発分に相当する。この備蓄は、イスファハンの地下施設で、IAEAの監視の下保管されているはずだった。だが、イラン側は、イスラエルの攻撃があった場合には備蓄を移動する可能性があると事前に警告していた。

  グロッシ氏はブルームバーグ・テレビジョンに対し「確信は持てない。戦時下では、全ての核関連施設は閉鎖される。査察も通常業務も一切行えない」と語った。

  この発言は、イランの核インフラに対する攻撃が抱える、根本的なジレンマを浮き彫りにしている。イスラエルの爆撃がイランの新たな濃縮ウランの生産能力に確実に影響を与えている一方、すでに存在する備蓄が兵器級に再濃縮されるリスクについて、国際社会は監視の目を失いつつある。

IAEAは18日、イランの濃縮ウラン備蓄について、現在所在を確認できていないと明らかにした
Source: Bloomberg

 

 

  グロッシ氏は、イスファハンは「繰り返し攻撃を受け、いくつかの建物が被害を受けた」と語る。

  イスラエルによる攻撃が13日に始まるまでは、IAEAの査察官はイランの核関連施設に1日複数回訪問していた。だが、グロッシ氏は、備蓄を攻撃から守るために講じるとされる「特別措置」について、イラン政府からはIAEAに対して説明がなかったと述べた。

  IAEAは引き続き、衛星画像を通じて関連施設を監視しており、イランが高濃縮ウラン備蓄を移動させようとした動きは確認されていない。仮に行われれば、イランは、核拡散防止条約に基づく義務に対する深刻な違反をしたことになる。

原題:Iran Near-Bomb-Grade Uranium’s Location Uncertain, Watchdog Says(抜粋)

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