米総合PMIが低下、23年以来の低水準-トランプ関税が重し
Vince Golle-
S&Pグローバルの総合PMI速報値、2.3ポイント低下の51.2
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将来の生産を示す指数は3.5ポイント低下し、22年10月以来の低水準

4月の米企業活動は、2023年以来となる緩やかなペースでの拡大となった。関税を巡る懸念が広がる中、生産見通しは悪化し、物価圧力は強まった。S&Pグローバルが購買担当者指数(PMI)速報値を発表した。
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将来の生産を示す指数は3.5ポイント低下し、2022年10月以来の低水準となった。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は発表文で「製造業は全般的に停滞している。関税によるいかなるプラス効果も、経済の不確実性の高まりやサプライチェーンを巡る懸念、輸出減少によって相殺されているためだ。一方でサービス分野は、需要の伸びが鈍化する中で活動が減速している」と指摘した。

状況を複雑にしているのが販売価格の上昇加速だ。総合PMIでの販売価格指数は約1年ぶりの高水準となった。上昇加速の背景には関税や輸入価格の上昇、労働コストの高まりがある。
仕入れ価格指数はやや低下したものの、過去1年間との比較では依然高い水準にある。製造業では、投入コストが2022年8月以来最も速いペースで上昇。サプライヤーが関税に関連した価格引き上げを進めていることや、ドル軟化が背景にある。
ウィリアムソン氏は「関税が価格上昇の主因として挙げられているほか、労働コストも上昇継続が報告されている。そうしたことから、企業は過去1年余り見られなかったようなペースで販売価格を引き上げている」と指摘した。
調査は4月9日から22日にかけて実施された。
原題:Growth in US Business Activity Is Weakest Since 2023 on Tariffs(抜粋)
US April Flash Manufacturing PMI 50.7; Est. 49
US April Services Flash PMI 51.4; Est. 52.6
US April Flash Composite PMI 51.2 vs 53.5