アップル、ブラウザーでのAI検索を検討-アルファベット株急落
Mark Gurman、Leah Nylen、Stephanie Lai-
AI利用増加でサファリでの検索減少-サービス部門責任者キュー氏
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AI検索がいずれグーグルなどの検索エンジンに取って代わると指摘

Safari icon is seen displayed on a phone screen.
Photographer: Jakub Porzycki/NurPhoto/Getty Images米アップルは自社のウェブブラウザー「サファリ」について、人工知能(AI)を活用した検索エンジンに焦点を当てた形に再構築することを積極的に検討している。長年続いてきたグーグルとの提携が終了する可能性を示し、業界にとって大きな転換点となる。
サービス部門責任者エディー・キュー氏が7日、米司法省によるアルファベットを相手取った訴訟での証言で明らかにした。
この訴訟の焦点は、アップルとアルファベット傘下グーグルの間で結ばれている年間約200億ドル(約2兆8700億円)と推計される契約にある。同契約に基づき、アップルのスマートフォン「iPhone」などに標準搭載されているサファリで検索を行う際のデフォルト検索エンジンにはグーグルが採用されている。

同氏は、サファリでの検索数が4月に初めて減少したことに言及し、人々がAIを使うようになったためだと指摘。オープンAIやパープレキシティAI、アンソロピックなどのAI検索プロバイダーがいずれ、グーグルのような従来型の検索エンジンに取って代わるとの見解を示した。
さらに、アップルが将来的にサファリの選択肢として、それらの企業のサービスを追加すると考えているとも述べた。
投資家は、キュー氏の証言をアルファベット、アップル両社にとって悪材料だと判断。両社が収益性の高い契約を放棄しなければならないと捉えた。
アルファベット株は7日、7.3%安と2月以来の下落率を付けた。アップル株もキュー氏の発言を受け値下がりし、1.1%安で取引を終えた。
キュー氏は、パープレキシティとはすでに協議を行ったとも説明。「AIが登場する前は、他に妥当な選択肢がないというのが私の感覚だった。しかし今では、新たな企業がこれまでとは異なるアプローチでこの課題に取り組んでおり、はるかに大きな可能性があると感じている」と語った。
テクノロジーの進化は非常に速く、数年後には今と同じデバイスを使っていないかもしれないと同氏は発言。「突飛に聞こえるかもしれないが、10年後にはiPhoneが必要なくなるかもしれない」と述べ、「真の競争が生まれるのはテクノロジーの転換が起きた時だけだ。テクノロジーの転換が新たなチャンスを生み出す。AIは新たなテクノロジーの転換だ」と続けた。
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