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野村、米欧プライムブローカレッジ再開検討-アルケゴスで撤退後

訂正済み
  • 世界責任者にバークレイズのバークン氏採用、事業再建を託す
  • 4年前にアルケゴス破綻で巨額損失、事業の大部分から撤退していた
Signage outside a branch of Nomura Securities Co. Japan, April 22, 2025. 

Signage outside a branch of Nomura Securities Co. Japan, April 22, 2025. 

Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

野村ホールディングス(HD)は、キャッシュ・プライムブローカレッジ・サービスを米国と欧州で再開することを検討している。同社は4年前、アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション破綻で多額の損失を計上した後、これら地域での同事業から大部分撤退していた。

  同事業の再建に向け、野村HDはバークレイズで17年間の勤務経験があるベテランのマティアス・バークン氏をプライムブローカレッジ事業の世界責任者として採用したと、事情に詳しい関係者が明らかにした。野村HDは既に、同社の最新の計画について日本の規制当局と協議を持ったという。

  関係者は非公開の情報だとして匿名で話した。

  野村HD幹部はプライムブローカレッジ・サービスの強化で、同事業で年間10億ドル(約1430億円)以上を稼ぎたい考えだと、関係者は説明。これは現在の同事業売上高の3倍余りに相当するという。

  野村HD広報はコメントを控えた。

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  ヘッジファンドへの現金や証券貸し出しなどを行うプライムブローカレッジは、株価上昇やマルチストラテジー・ヘッジファンドの成長により、ここ数年はウォール街のドル箱となっている。コンサルティング会社クリシル・コーリション・グリニッジのデータによると、業界全体の同事業の収入は2024年に前年比約13%増の270億ドル(約3兆8500億円)と、過去最高を記録した。

  今回の動きは、過去数四半期の日本市場の好調を追い風に、野村HDがウォール街の伝統的な事業への食い込みを図っている新たな兆しともとれる。野村HDのホールセール部門長兼インベストメント・マネジメント部門チェアマンを務めるクリストファー・ウィルコックス氏は、25年3月期に受け取った報酬が1200万ドルと、奥田健太郎社長の3倍余りに上った。

Nomura Holdings CEO Kentaro Okuda Attends Nomura Investor Day
野村HDの奥田健太郎社長
Photographer:Kiyoshi Ota/Bloomberg

  野村HDは米投資会社アルケゴスの破綻で巨額の損失を被り、21年にプライムブローカレッジ事業の一部から撤退すると顧客への通知を始めた。アルケゴス破綻に関連して野村HDが被った損失は最終的に29億ドルに上った。

  アルケゴス後にホールセール部門長に就いたウィルコックス氏は、社内のリスク管理改善を後押しした。昨年1月に行われたブルームバーグとのインタビューでは、野村HDは「極めて大きな改善」を果たし、「アルケゴス問題は過去のものとなったと言うことができると思う」と述べていた。

原題:Nomura Mulls Deeper Foray Into Prime Four Years After Archegos(抜粋)

(最終段落のウィルコックス氏の肩書きを訂正します)
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