ボウマンFRB副議長、資本規制見直す時来た-7月利下げ支持も
Katanga Johnson、Amara Omeokwe-
レバレッジ比率の影響は広範に波及する可能性がある-ボウマン氏
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インフレ圧力が抑制されたままなら7月会合で利下げを支持する
米連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン副議長(銀行監督担当)は、大手銀行に義務付けているレバレッジ比率を巡る現行のアプローチが市場に予期せぬ影響を及ぼしていると警告した。また、状況次第で早ければ7月に利下げを支持する可能性があるとも述べた。
副議長は、主要な資本バッファーを見直すべき「時が来た」と発言。現行の規制を巡っては、29兆ドル(約4254兆円)規模の米国債市場における銀行の取引活動を制約しているとの懸念が広がっている。
ボウマン氏はプラハで開かれた研究会議で講演。事前に配布された原稿によれば、「銀行系列のブローカーディーラーに対するレバレッジ比率の影響は、米国債取引での仲介業務に見られるように、市場を含めより広範に波及する可能性がある」と指摘。「規制の設計段階では想定されていなかった意図せぬ影響が明らかになった場合、従来の規制および政策判断をどう見直すかを検討しなければならない」と語った。
ボウマン副議長は6月に入り、補完的レバレッジ比率(SLR)として知られる資本バッファーの見直しや、大手銀行を対象とした規制からの地方銀行の切り離しなと、意欲的な改革課題を掲げている。
ボウマン氏はまた、FRBが7月22日に銀行の自己資本に関する会議を主催すると明らかにし、「シンプルな改革」でも、ストレス発生に備えて市場のレジリエンスを高めることで、米国債市場の機能を改善できる可能性があると指摘した。同氏は従来、損失や金融危機に備えるために米国の大手銀行に大幅な資本増強を求める規制当局の計画について批判的な立場を示している。
金融政策
ボウマン副議長は経済・金融政策についても発言。早ければ7月に利下げを支持する考えを示した。自身の見解として、労働市場へのリスクは高まり得るとしつつ、インフレ率はFRBの目標である2%に向けて持続的に低下しているように見受けられると述べた。
「インフレ圧力が抑制されたままであれば、政策金利を中立水準に近づけ、健全な労働市場を維持するために、次回の会合での利下げを支持する」とボウマン氏は述べた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は先週の会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を4.25-4.5%に据え置いた。この水準は、経済活動を刺激も抑制もしない中立金利を上回っていると広く見なされている。ボウマン氏は、今回の政策決定を支持したと明らかにした。
会合後にパウエルFRB議長は、貿易をはじめとするトランプ大統領の経済政策についてさらなる情報が得られるのを待つ中で、政策金利の調整については辛抱強いアプローチで臨むことが可能だとの認識を改めて示した。
ボウマン氏は講演で、「関税などの政策によって重大な影響が出ているという明確な兆候はデータには表れていない」と指摘。「多くの企業が事前に在庫を積み増していたため、関税によるインフレへの影響は当初の予想より表れるまでに時間がかかり、影響の度合いも当初予想より小さくなる可能性が高いと考えられる」と語った。
また「貿易や関税に関する協議が進展していることで、経済環境におけるリスクは確実に低下した」と付け加えた。
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原題:Fed’s Bowman Says ‘Time Has Come’ to Revisit Key Capital Buffer(抜粋)