トランプ減税法案、週内にも上院採決へ-7月4日までの成立へ山場
Erik Wasson-
上院共和党、週後半から週末の採決目指す-その後下院が来週採決へ
-
党内なお対立、トランプ氏は中東情勢の対応と議員ら説得の両にらみ
トランプ米大統領の看板政策である大型減税・歳出法案が週内にも上院で採決される見通しだ。イラン核施設への空爆を受けて中東への関与長期化が懸念される中、可決に向けた重要な節目を迎える。
4兆2000億ドル(約619兆円)規模のトランプ氏の大型減税案は、社会保障給付の削減で一部を賄う内容だが、現時点で上院可決に必要な支持を得られていない。共和党内では歳出圧縮を求める財政保守派と、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)向けの支出削減や再生可能エネルギー向け優遇策廃止を懸念する議員らで意見が対立している。
再生可能エネ優遇策を巡っては早期の廃止を望む議員と、地元の州の雇用を支えている優遇策を維持したい議員との間の溝が埋まっていない。州・地方税(SALT)の控除額もなお争点だ。
票の確保には、トランプ氏自らが調整役となり、一定の圧力を行使する必要があるだろう。
トランプ氏は22日、米政府関係者や各国首脳が米軍によるイラン核施設攻撃を受けた中東情勢緊迫化への対応に追われる中、減税法案を速やかに可決するよう党内に呼びかけた。
「共和党の結束は非常に強く、かつてないほどかもしれない。今こそ偉大で素晴らしい法案を成立させよう。米国は絶好調だ」と、ソーシャルメディに書き込んだ。
上院共和党は今週半ばにも法案の採決に向けた複数段階にわたる手続きを開始し、週後半から週末にかけて最終可決を目指す構えだ。これにより、下院は来週中に上院の修正を受けた減税案を採決し、トランプ氏が期限に掲げる7月4日までの成立を目指したい考え。
同法案には、米国の債務不履行(デフォルト)を回避するため、連邦債務上限を5兆ドル引き上げる内容も含まれる。

原題:Senate Readies Tax Bill for Vote With Holdouts Threatening Delay(抜粋)